プロレスラー
諸君、私はプロレスラーだ。
プロレスラーといっても、かなりマイナーな団体の、その中でも悪役、いわゆるヒールという立ち回りにて全国行脚をしているプロレスラーである。
そんなに骨格も目を見張るものではないし、筋肉量というものだって自慢ではないがそれほどない。
少なくとも、プロレスラーと聞いて皆さんが真っ先に思い浮かべたような、筋骨隆々の、猛々しい名声溢れる一流の猛者たちのような、そんな強い雄としての純度みたいなものは持ちあわせてはいない。残念ながら、だ。
だから、そんな私が入団して長いことやって行けている団体なのだから、その度合いというものも知れていよう。
大掛かりな技や大立ち回りといったものはなく、むしろ全体からみればお笑いの要素や趣向を凝らした特別ルールを入れた変則的な試合などで客たちの肥えた眼を違った角度から刺激してやる、そんな類の、いわば学生プロレスの延長のような活動である。
そんな締まりのない集まりの、唯一とも言えるピリッとした要素として、私がいる。ヒールとしての存在だ。そんな私が自身の存在を際立たせるために必要不可欠なアイテムがある。カラコンだ。カラーコンタクト、略してカラコンである。カラコンなくして私のプロレスは成り立たない。ヒールにとってのカラコンとは、今やなくてはならない存在だ。私と、カラコンとの、ヒールプロレスラーとしての話をしていこうと思う。
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